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外国人を有効活用―管理職、会社が会話教育


私が人材開発研修に関わってきた大手企業の多くは、グローバル化に対応するために中途や新卒で外国人社員を積極的に採用し、伝統的な人事制度の変革も進めています。  

ところが、これらの企業で日本人と外国人の社員がグループディスカッションをすると、ほとんどの外国人のモチベーションが下がっており、その半数が採用時に評価されたスキルが生かせない状況にあり、改善されないと思っています。  


上司に制度上の処遇についての期待とギャップを伝え、チームの業務改善のアイデアを出してもその後の進展がないといいます。外国人社員は自己実現において上司がボトルネックになっていると感じているのです。  


ミドルマネジャーが外国人社員の期待に応えられない理由は、グローバルな制度の下で要求されるスキルを習得する機会を十分に与えられていないからです。特にコミュニケーションにおいて個人的な資質や裁量に頼らざるをえないことにあると私は考えています。  


さらに、新しい制度にふさわしいマインドセットを社内に醸成する時間が足りないことも大きな要因です。多くのミドルマネジャーは外国人社員を増やそうという経営方針を受けて、英語や異文化理解の研修を受け、何とか適応しようと努力しています。  

年に数回、外国人社員との接し方について学ぶ研修を受けて有益な気づきを得ることはあるでしょう。しかし、現場に戻ると周囲の従来の価値観の影響を受けて判断や対応がリセットされてしまうのはやむをえないと思います。


 

多くの企業では社員のグローバルなマインドセットを醸成するために、中長期の海外赴任で知見を豊かにする取り組みを展開しています。私はそれとは別に、異文化コミュニケーションの原点である相互理解という極めて人間的な側面からの短期的な解決策を提案します。  

それは、業務に及ぼす影響を注意深く考察しながら、会社がマネジャーに対して、部下との効果的な対話を指導し、奨励することです。  


多くの外国人社員は就業中のオフィスが静かすぎると感じています。企業や上司がスタッフ同士の会話や雑談を業務の支障になるとみなし、静寂を保つことを暗黙のルールとしているからではないでしょうか。  

やがて外国人社員も社内の空気を読み、上司や同僚に対する小さな質問や確認を遠慮するようになります。それが積み重なっていくことでストレスや周囲との誤解を生じさせます。  

出社直後やランチタイム、そのほかの勤務中のリラックスしやすい場面を見つけて、ほんのわずかな時間にささいな話題でもいいので、周囲と対話するよう努めるべきです。

 

一方、そういったコミュニケーションを勤務時間外の懇親会や飲み会で代替することは、多くの外国人社員に支持されません。企業は経営目標の達成のために外国人社員に期待する根本的な役割と、それを実現させる社内のマインドセットをどう醸成すべきか改めて考えるべきです。  

たとえ洗練されたものではなくても、現場で人間らしいコミュニケーションを積み重ねることが、組織に柔軟性を与えて活性化させる土台を作る大きな要素だと思います。組織の変革は社内のシステムやルールだけでなく、心にも作用させるべきです。


 

ウズベキスタン出身。サマルカンド国立外国語大学で英語・日本語言語学を修了。人材開発コンサルのSOPHYS(ソフィス)とグローバル事業開発支援のTrusted(トラスティッド)を東京で設立。





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