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グローバル化のカギは?―知見得る機会 増やす


ウズベキスタン出身。

サマルカンド国立外国語大学で英語・日本語言語学を修了。

人材開発・人事システムコンサルのSOPHYS(ソフィス、東京・新宿)を設立、日本企業や 外資系企業の人材育成を手掛ける。

グローバル化は多くの日本企業にとって未知の領域です。それは「海外進出のためには必須だが、方法がよく分からないもの」です。

私は7年間、日本企業でグローバル人材開発の解決法を提供する中で、グローバル化に関する共通課題を見てきました。

経営者層がグローバル化を経営目標に掲げても、その定義やロールモデルが明確でない場合、管理職層はどう実務レベルで遂行し、評価すればよいのか分かりません。

今回はグローバル人材育成に取り組む国内企業2社について、担当者へのインタビュー結果を紹介したいと思います。日本企業の「ヒトのグローバル化」に関するヒントが得られれば幸いです。

自動車総合部品メーカーのNOK(回答者は業務本部人材企画部長 福間博文氏)

三菱UFJリース(回答者は執行役員国際部長 久笠努氏)

「1」グローバル人材に求める資質について聞いたところ、両社とも同じ回答でした。

ビジネススキルは「ロジカルシンキング」「視覚化」「プロフェッショナルとしての実務能力」が、マインドセット(考えの枠組み)は「オープンマインド」「柔軟性」「積極性」がそれぞれ必須だと指摘しました。

また、英会話スキルは「当然必要だが、それは業務上のツールのひとつ」だとしています。

「2」グローバル人材の組織内での活用方法については次の通り。

「グローバルマインドの集中的教育を受けた中堅人員が各所属部署でロールモデルとなり、全社にそのマインドセットを浸透させる」(NOK)

「各階層に対する実務や研修を通じてグローバルなマインドセットを浸透させる」

「(国内業務専任の中堅・管理職層の例では)定期的なグローバルプロジェクトに参画」

「(入社3年目の若手層の例では)研修と海外ビジネス留学を実施など」(三菱UFJリース)

「3」グローバル人材育成の施策の評価については、両社から次のような意見が出ました。

「グローバル人材の明確な定義は確立されていない」

「グローバル経験の豊富な実務担当者が、知見をもとに育成システムを構築している」

「施策には失敗したものも多い」

「グローバル人材育成は正解のない長期の投資計画であり、トライ・アンド・エラーで継続する」などです。

やはり、海外についての知見を得る機会を増やすことが施策の根幹にあるようです。

加えて、解決法は現場に存在していながら、それらが経営者層まで届かず見逃されることが多いと思います。

たとえば、外国人スタッフを多数採用し、日本人との効果的な協業を目指す場合には以下の施策が効果的だと思います。

グローバル化を深化させるための意見を言える現場の雰囲気作り。および提言に対する明確なフィードバックを実現する仕組みの構築

ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を通した、上司と部下双方の役割の明確化。

そして、仕事の進め方や待遇で齟齬(そご)が生じた場合は、上司が部下にごまかさずにそれを伝え、一緒に改善していく姿勢を見せることです。

残念ながら普遍的な解決法が存在しないので、経営者層が創業期や重要な変革期に発揮してきた開拓精神で、試行錯誤を繰り返しながら辛抱強く取り組みを継続することが重要だと思います。




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