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フォロワーの大切さ


近年、多くの大手企業がイノベーション事業部や新規事業部を立ち上げ、新たな取り組みにチャレンジしています。しかし、そもそも「イノベーションとは何か」ですら企業ごとに定義が異なる中、前例のない取り組みの遂行は方針や行動が決まらず、ましてや既存事業部に協力を得るまでには多くの壁が立ちはだかるなど、リーダーは常に難しいかじ取りを迫られる環境にあります。


上層部から結果を求められる一方で、「他のメンバーや他事業部を十分巻き込めない」「孤独に戦っている」。ここ3カ月で20社以上のそうした事業部のリーダーにインタビューした際に多く挙げられた状況について、解決のヒントとなるであろうフォロワーの重要性を提言したいと思います。

一般的に新たなことを始めようとすれば大多数の無関心と一部の抵抗勢力というパイオニアにはネガティブな状況がつきものです。そのパイオニアに力を与えるのが、SNSにもあるような「いいね」というフォロワーによる簡単な応援やコメントです。「いつも見ているし、興味がある」という小さな賛同です。そこから一緒に行動する最初の一人が出現、さらに賛同者が増え、パイオニアは自分の挑戦を継続でき、ムーブメントが起きるという流れです。

企業がイノベーションに取り組む際にもこの現象は頻出しています。通常、イノベーション事業部のリーダーはイノベーションについて明確な解決策を持っているわけではなく、試行錯誤の状態にあります。それでも戦略を立て挑戦してみる。リーダーは不安に思いつつメンバーのアイデアやアクションによる結果をみながら方向性を判断していくのですが、正解がない中での試行錯誤や判断は既存部署から「何をやっているかわからない」と言われます。

企業のイノベーションを左右するキーファクターは、イノベーション事業部以外の部署の方々がいかにフォロワーになり得るかどうかなのです。これは、次々と新たな商品を生み出し、成長を続ける米スリーエム(3M)や、医薬品から化粧品へ事業展開し、グローバルに広がるロート製薬の事例がヒントになります。

共通しているのは、部署間に横串や斜め串をさし、コミュニケーションを活性化させ、異なる立場、役職のメンバー同士で気づきを得ることで、社内から新しい発見を生み、企業全体でイノベーションを後押ししているという点です。

社内の他部署がイノベーション事業部と直接行動を共にしなくとも、フォロワーとなり、賛同や意見をすることで、リーダーは正解がない中でも判断の根拠を確固たるものにできます。最初から他部署も巻き込めているので、「他部署を巻き込めない」「孤独に戦っている」という課題も解消されやすくなります。


企業がイノベーション事業部を立ち上げても、なかなかイノベーションは起きません。しかし、新たな行動を起こそうとしているチームやメンバーに他部署が興味を持ち、自分のできる範囲で協力できるような仕組みを作っておく。誰もがどんな立場であってもフォロワーとして協力できれば、正解のない新たな取り組みを始めようとするチームリーダーやメンバーの大きな力となり、イノベーションを成功に導くキーファクターとなっていくでしょう。


ウズベキスタン出身。サマルカンド国立外国語大学で英語・日本語言語学を修了。人材開発コンサルのSOPHYS(ソフィス)とグローバル事業開発支援のTrusted(トラスティッド)を東京で設立。





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