芸術の街とテクノロジーハブ
スペインのカタルーニャ州のバルセロナはアントニオ・ガウディによるサグラダ ファミリア教会やピカソとミロのモダンアートを展示するピカソ美術館とミロ美術館など、芸術と建築で有名であり、かつ温暖な気候、海、生き生きとした人々とともに、間違いなくヨーロッパで最も魅力的な都市のひとつです。
一方で深刻な大気汚染、騒音公害、廃棄物管理などの重要な問題に触れたことで、世界の首都間で情報やアイデアを相互に交換する「スマートシティEXPO世界会議」などの一連のイベントやイニシアティブの出現にもつながり、今では世界で最もスマートな大都市と考えられるようになりました。 そして、注目すべきはバルセロナのポブレノウ地域にある22@というテクノロジーハブです。 もともと、22@は,バルセロナ市街地の北東部ポブレノウ地区に位置する約200ヘクタールの工業地域で、1860年代から1960年頃にかけて,繊維産業を中心に発展しました。 しかし、公害やスペース不足などの問題により衰退。 再興のきっかけは1992年のバルセロナオリンピック開催で、選手村用のマンションや近隣のビーチ造成,ホテル建設などですが、バルセロナは山、川、海で画された土地柄であり,これ以上市域が広がることは考えにくい状況だったため。知識集約型の産業への転換を図ることが必須となっていました。 そこでバルセロナ市では,知識集約型の先端産業4分野(メディア、ICT、医療テクノロジー、エネルギー)の振興を進めることを決定し,地元企業の発展と企業や研究機関の誘致をすすめたことで街の広大なエリアを最先端の企業が集まるテクノロジーハブに変貌させたのです。 また、22@はビジネスエリアというだけでなく、住宅地、公園、インフラ、行政サービスなども充実しています。
具体的には、行政が地元企業の発展のため、他企業や研究機関との情報交換ネットワークの構築やアドバイス,職業訓練校やビジネススクールと連携して22@内企業等のインターンシップの受入仲介役を担っています。 企業の誘致においては無料のウィークリー、マンスリーオフィスの貸し出しや,海外からの企業誘致などにも対応できるよう,従業員や家族へのサポートアドバイスを実施しています。 さらに、コンサートや芸術のイベントを実施し、住民同士のコミュニケーションを促進させています。その結果、人々の間に有意義な交流が生まれ、その結果、ビジネスや起業の新しい機会が生まれるのです。
現在では、22@地区は革新的な都市デザインのよい例となっています。 長年にわたる都市計画の結果、専門的・学術的な知識に関する活動が行われ、新しい雇用、住宅、ワークスペースが創出され、ダイナミックで活気に満ちた国際的な地域となりました。 22@は、分野ごと(メディア、ICT、医療テクノロジー、エネルギー)にテクノロジーハブを設けているので、外部からコンタクトを取る際にどこのルートから入ればよいかが明確になっていることも活性化につながった重要なポイントです。
下記は22@地区で活躍する有名な企業の一例です。 - Mediapro - Aenor - Amazon - Cisco Systems - T-Systems
22@以外にもヨーロッパの多くの都市はスマート・トランスフォーメーションに取り組んでおり、持続可能なモビリティの向上、より透明性の高いガバナンス、エネルギー効率、市民の生活の質を向上させるクリーンテクノロジーの開発を目的とした研究に時間とエネルギーを投じています。 人口密度が高い中で持続可能性を重視し、最新の技術に大きな関心を寄せる一方で人と文化を大切にしているのが、ヨーロッパの都市の特徴といえます。 Trusted Corporation は、貴社のもつ既存産業やプロジェクトとシナジーの高い最新テクノロジーを有する欧州スタートアップ情報を速やかに検索、ご提案します。 貴社が課題解決やスマートシティプロジェクトのために特定の技術を探している場合、ニッチで専門性の高いものであっても、日本と欧州の双方で1万件以上の技術やサービスの中から、理想的なパートナーを詳細かつオーダーメイドで探し出す「Startup Finder 」が貴社のオープンイノベーションを強力にサポートします。またマーケティングサポートとして欲しい分野の海外ビジネスケーススタディをリサーチし、ご提供しています。 是非、一度Trustedを通じて、これらのテクノロジーやケーススタディを覗いてみてください。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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