日本人に馴染み深い焼肉やすき焼き。
これらの食肉が今後テクノロジーにより進化していくかもしれません。
食肉産業は現在、大気中に排出される温室効果ガスの主要な原因となっており、信じ難いことに世界全体の排出量の14%をも占めています。
これは、実は鉄道、自動車、飛行機、トラックなどの運輸部門全体の排出量を上回っているのです。
また森林への影響も深刻です。
現在地球上に生息する700億頭の家畜を養うために、ここ数十年の間にあらゆる地域で何十万ヘクタールもの森林や森が破壊されています。
中でも牛肉生産による排出量は最も多く、先進国の食肉消費のうち牛肉が占める割合は30%に過ぎないのに、畜産業全体の排出ガスの78%は牛肉生産に起因していると言われているのです。
IPCC (国連気候変動に関する政府間パネル:Intergovernmental Panel on Climate Change)によると、2050年までに我々が食生活を野菜や豆類を中心とした食生活に変えることで、数百万平方キロメートルの土地が解放され、世界のCO2排出量は最大で年間80億トン(現在の排出量の約21%)削減できるとのこと。
つまり、野菜や穀物中心の食生活に転換するだけで、二酸化炭素の排出量は大きく変わるのです。
そこで、近年注目されてきたのが、よりクリーンな地球環境のためのフードテック。
中でもクリーンミート関連のスタートアップ企業が世界中で誕生しています。
近年大豆をベースにした肉の代替品をスーパーなどでもよく目にするようになりました。
しかし私たちの未来の食肉の選択肢は、大豆に代表される植物由来の代替品だけではないかもしれません。
2013年、マーストリヒト大学のマーク・ポスト博士は、実験室で培養したビーフ、いわゆる培養肉(BBC関連記事)でハンバーガーの血や匂いまで再現したことで、世界中で話題となりました。(USA TODAY関連記事 )
これらの技術は従来の畜産による環境破壊の現状を打破するのみならず気候変動の原因となる温室効果ガスを削減するための今後の重要ファクターです。
ボストン コンサルティング グループ (BCG)とホライゾン コーポレーション(BHC)が発表した新しいレポートによると、事実上、2025年までには食肉の消費は減少に転じ、植物性タンパク質や肉の代替品の消費が着実に増加。
2035年までには植物ベースの代替品が世界のタンパク質市場の11%を占めるようになり、売上は少なくとも2900億ドルに達すると予測しています。
"vegetarian butcher"の原点と食の革命
"vegetarian butcher "は、オランダの農家であるJaap Korteweg氏によって設立されました。彼は1998年にオランダでインフルエンザが流行した後、ベジタリアンに転向。
彼は、肉の独特の風味を再発見することに尽力し、シェフや科学者、植物性タンパク質の生産者と密接に協力し、最終的には肉の味と食感を模倣したさまざまな植物性タンパク質を開発しました。
2018年、The Vegetarian Butcherブランドは、世界最大の「肉屋」になることを目指し、ユニリーバに買収されました。現在、その製品は45カ国以上で提供されており、日本にも進出しています(東京 池袋店https://thevegetarianbutcher.owst.jp/)
もちろん手放しにこれらの技術に傾倒すべきというわけではありません。
日本には長く畜産業を営んできた多くの方々の生活、またその技術や手法など未来でも守り続けるべきものが存在します。また健康な食生活、という視点ではまだ疑問が残ります。
大切なのはバランスであり、地球全体のバランスを保てるような食のあり方について、まず私たち自身が考え直すタイミングがきたということかと思います。
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